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賢治の学校  いのちの根っこの学び舎 

TEL. 0985-30-7090

宮崎県東諸県郡綾町入野4708  

学校案内CONCEPT

賢治の学校 綾自然農生活実践場 案内

宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」を実践し、21世紀の農と生活を模索する

東京賢治の学校代表鳥山敏子

 詩人、科学・物理学者、地質・鉱物学者、作家、教育者等であった宮沢賢治(明治29年〜昭和8年)は大正153月、花巻農学校の教師を依頼退職し、本物の百姓を育てるべく百姓になり、「農民芸術概論綱要」を著しました。わたしたちはこれからの地球において人類が生きていく指針として、この綱要が決して古いものではなく、それどころかさまざまな問題をかかえて行き詰っているこの日本や世界の現代社会において、これからますます実践していく必要のある重要な人類の遺産であることに気づき、これを実践していく学びの場として、19944月、賢治の学校を立ち上げました。この綱要の一部を紹介します。

……我等はいっしょにこれから何を論ずるか……

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい

もっと明るく生き生きと生活する道を見付けたい

われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった

近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する

この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか

新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある

正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである

われらは世界のまことの道を索ねよう 求道すでに道である

 職業芸術家は一度亡びねばならぬ

誰人もみな芸術家たる感受をなせ

個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ

然もめいめいそのときどきの芸術家である

個性の異る幾億の天才も併び立つべく斯て地面も天となる

……われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である……

 生前賢治は、アメリカではじまった化学肥料の害を知り、有機農業に大きな関心を寄せ、農民を指導しました。しかし、わたしたちはさまざまな農業実践の成果を通して、よりわたしたちにあった農業をさがしているうちに、有機農業だけでなく、時代を先取りした21・22世紀の農業として自然農に大いに注目するにいたり、ここ数年各地で取り組んできました。近年とみに、生態系を破壊しないこの自然農はテレビや映画でも取り上げられるようになり、農業白書の中にもその実践が記述されるようになってきました。

 そこでわたしたちは、日本のどこよりも早く有機農業に取り組んできたこの綾町で、未来の農業と言える自然農の実践場を建設したいと、強い希望を抱くようになりました。綾町は、日本のどこよりも強く、未来の子どもたちに責任を持てる農業に、より深い関心を抱いていると確信したからです。有機農業だけでなく、さらにより完全な循環型の農業の研究と学び・普及なくして、子どもたちの本当の心やからだの健康、未来への生きる希望は生まれません。もちろん農業だけでなく、その農業に合った生活文化の創造、さらに各自が各地の自治体づくりに参加できる力も格別各異の方法で取り組まなければなりません。

 未来の子どもたちの健康な生存への想像力を失うことなく、人類のこれからの生存の仕方を自然のいのちのめぐりの中でとらえ、学びと遊び、生産と労働、消費と文化芸術活動などに取り組んでいきます。

 これからの農業、自然生態系に合った生活のあり方、芸術文化教育や生産、癒し、それぞれを尊重し合える人間関係づくりなどに強い関心を持った人たちが、リズムある共同生活をしながら愉快に明るく生き生きと生きる道を創造していくことに価値を置いた場づくりをします。

そんな学びと生活、実践の場として綾自然農生活実践場は存在します。20004月)

【付記】2013年10月7日、鳥山敏子先生が永眠されました。敏子先生の教育と自然農への情熱の灯を絶や
  さないように、ここ綾自然農生活実践場の役割を大切にして参りたいと思います。皆様方のご支援を心か
  らお願い申し上げます。日本の未来にほんとうの希望と自信を子どもたちに引き継ぎたいものです。 


メッセージ

CEO


 綾自然農生活実践場がある綾町は、林業が衰退する昭和40年代には夜逃げのまちと言われるほどでした。当時町長をされていた郷田實氏は、故郷の森を命がけで守りながらさまざまな取り組みをされました。そして2012年7月、綾町は自然と人が共生するまちとして、ユネスコ・エコパークに登録されました。その礎を築いた郷田實氏は、鳥山敏子さんと意気投合されて、自然農を学び実践する学び舎をここ宮原に建設し、設立に全精力を傾けました。郷田實氏は、惜しくも2000年の開校を前にこの世を去りました。

「ほんものとは…自然をよごさない…人をだまさないもの…」という郷田實氏のメッセージは、多くの人々の心のなかに生き続けています。(写真:実践場2階 祭壇)

 賢治の学校・綾自然農生活実践場は、子どもたちの未来を本気で考え、農業・教育・芸術・食育などを中心に学び合うところです。答えはありません。いのちの根っこを真剣にみつめながら、生き生きと生活する道を訪ねるところです。綾の広大な森や清らかな川や爽やかな風に包まれながら、放射能汚染や資本主義経済に負けない価値を生み出すイーハトーバーになる道を訪ねています。          (責任者:森下純吐)


沿革

1994年
東京賢治の学校・自由ヴァルドルフシューレ開校
2000年
賢治の学校・綾自然農生活実践場開校(独立経営)
2000年
川口由一さん自然農講座・郷田美紀子さん食養講座・シュタイナー体験講座開始
2002年
サマーキャンプ・コンサート等各種イベント開始・メディア取材
2012年
12年間に実習卒業生多数輩出・経営刷新計画
2013年
再生作業・新体制確立 食養講座再スタート・新実習生募集
9月29日田淵民男さん他界・10月7日鳥山敏子先生他界
2014年 

学び舎のようす

 1階は土間廊下の両側に部屋があります。右側に個室7部屋(Tearful eye・イーハトーヴ・銀河鉄道・よだかの星・なめとこ山・セロ弾き・やまなし)奥に男性用トイレがあります。左側は、書庫(カンパネルラ)・事務室(木偶坊)・図書室(グスコーブドリ)・食堂(山猫軒)・洗面所・浴室・女性用トイレがあります。2階は60畳のイベント・スペースになっています。東側と西側に畑があります。周囲には馬たちがいます。田んぼは車で5分ほどのところに5反あります。

      
  1階 土間廊下          食堂・台所          洗面・洗濯所

      
  浴室 シャワー・檜         トイレ         2階・祭壇・ピアノ

      
   自然農田んぼ          南側正面玄関         西側自然農畑

バナースペース

賢治の学校

〒880-1301
宮崎県東諸県郡綾町入野4708

TEL 0985-30-7090
FAX 0985-30-7090
H.Phone 080-3826-4474